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2007年05月25日

終わりが始まり

愛知県長久手町の立てこもり事件について。
1週間経って少しほとぼりも冷めてきたし、気分の悪い話だから触れないでおけばいいのだけれど、
余りにもメディアの論調やネット上での個人的見解がひどい形で展開されているようなので、
何か書き留めておかないと気が済まなくなってきました。
お目汚しだと思うので、畳んでおきます。

僕だって聖人君子じゃないし、物事の区別も付かない頃に「あさま山荘」や「よど号」の
報道にへばりついていたし、「ダッカ・ハイジャック」なんかも観た。
そんな具合だから、今回みたいな事件が起きれば、社会的な道義以外に野次馬根性が無い
筈もないです。実際、人質が救出された後は、「同僚が殺されたんだから、半旗背負って
突っ込まんかい!」みたいな発言をして、「タチが悪い」と窘められました(^^;
それでも、そういうのは理解してくれる間柄のことであって、あくまで公言ではないです。

今回の事件後、識者が述べる意見の中に、結果論から導かれるものが多いことが残念です。
普段の愛知県警がどれだけお粗末かは知らないけれど、少なくとも今回は愛知県警に非は
なかったと思います。
「なぜすぐに撃たれた人を救出しない」とか、「陽動作戦すらなかった」とか、そんなもん
は、戯言にすぎません。全ては人命優先の為。賭けに出るのは逼迫してから。常識です。

確かに今後、警察庁では特殊急襲部隊(SAT)の指揮系統について見直される必要が
あるかとは思います。本部長や警備部長がどこまで権限委譲するかということだと思います。
個人的には、隊長が仕切れば良いと思うのですが。警視なんだから。指揮班班長でも、
いいんじゃないかと思います。それより捜査1課特殊班とかとの連携の方が大切です。
どっかの国みたいに市警とFBIとCIAが反目するような関係になる必要ないんだから。

ただ、TVとかでSATと云うと、各国の特殊急襲部隊が引き合いに出されますが、
そんなもんと比べてどうする?軍隊のある国じゃないんだから。
それとも軍隊持ちますか?
SATが舐められたら犯罪抑止力を持たない。って云った方もいました。
そういう抑止力を持った時点で、それは国家警察に近いものになり、SATに反対する
人達に力を与えるだけだと思います。

そういう無責任な論調がまかり通っては、英霊も安らかに眠れないでしょうし、負傷され
た巡査部長の気持ちを無意味に傷つけているように思えます。
殉職された林警部のご冥福をお祈りいたします。