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2007年05月09日

「ツグノフの森」雑感

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G2produce&三鷹市芸術文化センターPresents「ツグノフの森」
大阪公演公演を観ての雑感です。
いつものようにネタバレも含みますし、気分を害される方もおられるかと思いますので、
畳んでおきます。自己責任でどうぞ。

ひと言で書くと「不可解なことがいっぱい」じゃないでしょうか?(笑)

彼女が昏睡状態に陥った夜、
大地は意志を持ったかのように
横滑りを始めた

これが、ちらしの裏面に書かれている宣伝文句ですが、この『彼女』が誰を指すのかが既に
不可解です。消去法から行けばミシオか、ミシオの母親の自爆霊ってことになりますが、
それでも矛盾する点が多いですね。宣伝文にして、こんな状態。
まぁ他にも色々言及すべき材料はあるのですが、それは余り意味のないことだと思います。
かなり重要そうな「三角形は存在しない」って命題にしても、大した意味はないかと。
フェイクな部分が多いんですよ。要するに曖昧な定義を並べることによって、不思議感や
ファンダジー感をかもし出そうとする意図のように思えます。
勿論、深読みしようとすれば、いくらでも出来るし、定義づけることも可能なのですが、
多分そこまでは求められていませんね。
「痛くなるまで目に入れろ」の時も最初の構想とえらく違っていたし、今回もちらしが出来
上がった頃と変わった部分があるはずです。で、そういったことによって生じる矛盾などは、
G2にとっては大したことじゃないんです、きっと。
大事なのは、G2が構想する世界観であり、それが伝われば、他は瑣末なこと。
こんな感じじゃないかと思うのですが、それ故に消化不良を感じる方が多いんじゃないかと
思います。でも、それがG2さんの世界です。

それにしても転球さんは嵌まりましたね。転球さんの良い資質が表に出た感じで。
素晴らしかったです。
あと、救いようのない設定を、救ってるのが仁さんのキャラですね。あれが仁さんでなければ
もっと嫌な気分で劇場を出る羽目になったかもしれません。それぐらい、仁さんの存在は、
大きいです(笑)
久ヶ沢クンについては、僕は某BBSでボロクソに書いてますが、それほどでもない。
これは、友情や愛情ではないけど、彼の噛みやすっとぼけが、リズムやテンポを壊してない。
僕はこれを高く評価します。並の人なら、流れをぶち壊していますよ(笑)
なんか名人芸の域にまで来てる気がします(爆)
で、笑いを取るトコでは取ってるしね。しかもG2PとKKPとサモでは、スタンスが違う。
それぞれが見事です。僕は益々G2Pでも重用してもらえるんじゃないかと思ってます(笑)

G2Pって、キャストが魅力的ですよね。知らない役者さんでも、かなりステキだし。
で、気づけば、立ってないキャラもない。
その辺りは、もう少し評価を得てもいいんじゃないかと、僕は思います。
あと、僕は、したり顔でいうほど演劇に関して詳しくないですが、ありゃ疲れますよ。
見た目以上に役者にはしんどい芝居だ、きっと。
夜の部だったこともあるけど、カーテンコールに出てこられた表情にもありあり(笑)
対照的に公演後に道端で見かけたG2さんは、上機嫌で元気でした(笑)
でも、カンパニーとして、G2Pって本当に楽しそうなんですよね。
毎回、感じる事なんですが。それがあるから久ヶ沢クンも頑張れるんじゃないかと思います。