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2005年08月26日

僕の心の洋楽盤[05/10]

Wired「Wired」/Jeff Beck
孤高のギター侍、ジェフ・ベックである。
出来れば、彼を評する際に「ベック」を連呼するんは避けて
いただきたい。「ジェフ」もしくは「ジェフ・ベック」
と呼んで欲しい。ま、個人的な趣味ですが。
僕の場合、ロック・ギターリストについて語り合うなら、
まず最初にジェフ・ベック在りきとなります。
その後にジミー・ペイジのストラップの長さはどうかとか、
クラプトンやブライアン・メイやパット・メセニーに至るまで
延々と続くことでしょうが、まず最初はジェフ・ベック(笑)
そして本来、ジェフ・ベックで1枚選ぶとなると「BB&A」なのかもしれません。
てか、以前にも書いた通り、あれは最強です。
でも、あのトリオは、ちょっと反則気味にスゴイし、僕が「BB&A」を語ろうとすると
「凄い」の連発になってしまって、自分のボキャ不足を痛感するだけなので、
出来ればここはそれを避けたいと思います(笑)

そもそも、ジェフのアルバムってのは、僕にとって余りハズレがない。
もしかすると、あばたもエクボ状態かもしれないけど、なんだか「えっ、こんなもん?」って
時も、そのスカした感じが妙にカッコいいのだ。
あ、もちろん「ゼア&バック」までの話ですが。「フラッシュ」以降は買ってないから。
ジェフ・ベック・グループの第1期、第2期、BB&Aなんかは、そのタイトな
ストロングスタイルなバンド構成もカッコ良かったのです。
ほとんどのメンバーが僕の好みです。ロッドとて、例外ではない。
あ、ちなみに僕はロッド・スチュアートも大好きだったんです。
彼は本当に素敵なボーカリストでしたよ。彼のアルバムは愛聴してました。
だからジェフ&ロッドの「ピープル・ゲット・レディ」には涙しました。
でも、あれで終わったな。いや駄作という意味でなく、あの曲の頃で時代が終わった。
実際、あの曲以降、僕はロックに疎くなっていきました。
話を元に戻して、ジェフのバンドは様々な問題を常に抱えていたんだけど、それはそれ。
とにかく、素敵でカッコいいメンツが、相応の音を出してくれていたわけである。
そして、それはソロになっても形を変えただけで、変わらなかった。
少し時代の波もあって、フュージョンぽい方向に振れてることは間違いないのだけれど、
ジェフのギターは相変わらず鋭角的で、奔放で、表現力に溢れてて、益々孤高に向かって
突き進んでるように僕には思えた。ヤン・ハマーやスタンリー・クラークとの融合と
掛け合いが新たなペクトルに導いてくれたことは間違いないと思うのだけれど、ここでも
忘れてならないのは、サポートのメンツである。ソロになってからもマックス・ミドルトンや
フィル・チェン、サイモン・フィリップスなどが固めている。
彼らは、ジェフをリスペクトし、ジェフは彼らに支えられていたと僕は思う。
ここまで来ると偶然とは思えず、すべてはジェフの人徳。
てか彼の職人気質の類が友を呼ぶ形なんだろうな。
色々考えて、僕はジェフ・ベックの1枚として"Wired"を選びました。
このアルバムは昔、死ぬほど聴いたので、現在は"There & Back"の方が好きなんだけど(笑)
でも、僕のギターリストの話がジェフから始まるのと同様に、ジェフが辿り着いた頂点の
話は、やっぱ"Wired"なんだろうなってのが僕のムチャクチャな結論です。