« かもざる | メイン | talking about Otis »

2007年12月10日

予知夢

予知夢 (文春文庫)
予知夢(著)東野圭吾
読了しました。
本書の内容に抵触(ネタばれ)しますので、折り畳んでおきます。
また、個人的及び主観的な感想なので、気分を害される方もおられるかと思います。
ご了承の上、自己責任でお願いします。

「探偵ガリレオ」シリーズ2作目。
前作の時にも書きましたが、「読み物」としては面白く読めます。
シンプルな推理小説です。冗長な部分がないのがいいです。
湯川学と草薙俊平との関係もキャラが立っているのでテンポよく読めます。
ただドラマの脚本のように内海薫がいたとしたら、微妙な男女関係を東野圭吾が描けたか
どうかは疑問ですね。てか、無理でしょ(笑)
そういう点でも、この原作とTVドラマの関係はうまくいっていると思います。
短編連作でもっと読んでみたい気もしますが、この種のトリクやギミックなどは、回を
重ねるとどうしてもネタ切れになって、単なる専門知識を仕入れただけのやっつけ仕事
の度合いが高まってくると思うので、余り期待はしません。
何より東野圭吾の真骨頂である精緻なプロットに基づいた圧倒的な筆力は、こういう短編
推理小説では味わう事が出来ませんから。
「探偵ガリレオ」と、この「予知夢」の中で読み応えのあった作品は、やはり
「爆(は)ぜる」ですね。
ドラマの方でもこれを2回に分けて最後にするようです。予告編を見た限りでは
「転写(うつ)る」も織り込まれているかもしれません。