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2007年06月14日

キッチン

キッチン (角川文庫)
キッチン(著)吉本ばなな
読了しました。
何故に吉本ばなななのか?とか、何で今更「キッチン」なのか?とかは後述します。
とりあえず、本書の内容に抵触(ネタばれ)しますので、折り畳んでおきます。
また、個人的及び主観的な感想なので、気分を害される方もおられるかと思います。
ご了承の上、自己責任でお願いします。

読み易っ!(笑)
最近、小説を読めなくなった僕が、リハビリと称して読み始めた小説は、意に反して
スラスラ読めないものばかりだったので、この読み易さは救いでした。
なんで、今になって、吉本ばななを読むのか?ってことですが、まず僕の友人が、
「海外におけるよしもとばなな氏の小説作品の権利の管理」に関わっている事が、
ひとつの理由。でも、そんなことだけじゃ、僕は読まない(^^;
けど、氏の作品が翻訳されて、世界でも最も愛されている日本人作家の一人である
ことについては興味があります。「それは、なぜか?」って友人と語り合う為には
やっぱ作品を読んでみるしかないでしょ。
そして、僕は氏の作品をいままでひとつも読んだ事がないのです。
その理由を語りだすと長くなるので割愛しますが(笑)、まぁ同世代であることと、
父親が父親ですから、僕が構えてしまうってことに他ならないと思います(笑)

「キッチン」に関しては、彼女の若い頃の作品だし、上梓されてから時間も経って
いますから、あんまり事細かに感想を述べる気はありません。
でも、軽やかな文体だし、「食べること=生」ってのと余りにもあっけない「死」
との対比を気負うことなく書き上げた秀作であると僕は思います。本当は、かなり
気負っているんだと思うけど。
で、気になったと言うか僕が想いを巡らせたのは、「死」の概念ですね。
彼女が「キッチン」を書き上げたぐらいの年齢と現在の実年齢とは明らかに「死」の
概念が違っていると思うのです。僕の場合、若い頃の方が「死」は身近に存在したと
いうか、隣り合わせに感じていました。今は、違いますけどね(笑)
そういうことを鑑みた場合、この作品の「死」に対するスタンスは理解できるけど
今後どう移り変わっていくかは解りません。
あと、この奇妙なリズム感を伴った文体ってのは、彼女の個性なのかな?
今後、読み続けてみないと解らないこと多し。
でも、確かに、これは女性に受けても男性に受けない気もしますね。
まぁ、僕は別ですし、一応、全作品を読むつもりです。

コメント

私はばなな作品を結構好んで読んでおります。
なんというか、たまにSFちっく(?)な展開の作品もありますが、読みやすくて好きです。
確かに男性にはあまり受けは良くないかもです(^^;)

そうですね、僕が避けていただけで、支持は高いんですよね。
これは、海外でもそうみたいですよ。
特に女性の方には。
公式サイトの日記も興味深いです。

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