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2007年10月19日

夜明けの街で

夜明けの街で
夜明けの街で(著)東野圭吾
読了しました。
本書の内容に抵触(ネタばれ)しますので、折り畳んでおきます。
個人的及び主観的な感想なので、気分を害される方もおられるかと思います。
ご了承の上、自己責任でお願いします。

これも面白かったです。軽い感じで、すらすら読めました。
それにしても東野圭吾ってのは、本当に凄いですね。
何で、こういうチャレンジが出来るのかな?

世間一般的に東野圭吾となれば、どうしてもミステリーとかサスペンスとかトリックとかに
重きを置かれるようで、そうなると今回の作品は謎解きとしての水準が低いとか、
必ずそういうことを訳知り顔で語る人が出てきます(苦笑)
もしくは「白夜行」とかと比べて・・・って評論もよくあります(笑)
まぁ人それぞれで良いと思いますが、トリックにうつつを抜かすなら東野圭吾ほどの文章が
書けない他の作家かトリックマニアで事は足りるし、最高傑作と比肩するには最初から
その志を以って書く意識がないと無理なことだと思います。

「不倫」がテーマとか大風呂敷を広げる必要もなく、これだけ恋愛感情を中心に話を
展開するというのは、東野圭吾自身も『難しいこと』と定義づけてるようですが(笑)、
これは大変なことだと僕も思います。
で、最終的にこういう作品に仕上がったと。これが東野圭吾が抱える愛の形のひとつだと。
否が応にもそういうことになるわけで、これは上手くいったところで、
こっ恥ずかしい(苦笑)
だからと云って、そこまでやるからには解って欲しいから番外編も書く。泥沼(笑)
でも、本当に難しかっただろうなってのが、僕の感想です。
そういった点でも、秀作であると僕は思います。