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2008年02月16日

ダイイング・アイ

ダイイング・アイ
ダイイング・アイ(著)東野圭吾
読了しました。
本書の内容に抵触(ネタばれ)しますので、折り畳んでおきます。
また、個人的及び主観的な感想なので、気分を害される方もおられるかと思います。
ご了承の上、自己責任でお願いします。

またまた面白い作品を(笑)
ちなみに東野作品は続々と新刊が出てますが、これも書下ろしじゃないです。
どうやら、約10年前の作品らしいです。うーん、当時は東野圭吾の名前も知らなかったかも。
で、今回はホラーミステリーですね。どっちかというと文系寄り。
ディテールに理系的な小技を発揮してますが。
でも、やりすぎないんだよな、どっかの作家と違って。
少々の遊びに似た形容があっても、延々続くわけではないです。
文系寄りとしたのは、今回は理系的なトリックではないということです。
「交通事故の加害者と被害者とその家族」なんて社会問題を扱うかのようにして、
「怨恨」とか「呪い」とか「催眠」とか「幽霊」とかそんな話。
「なんだ、そりゃ?あり得ねぇ。」って感じで、興味を失うような人なら、それまでの話。
そんなもん、東野文学においては些末なことでしかありません。
例えトリック掛かりでなくても、こういうのは最初にプロット在りき。ですね。
書きたいものがしっかり見えてなければ書けません。
なんだか僕が最近読んでる東野作品ってのは、あんまり同じ手法がないんですよね。
こういうのも書けるんですよ。って感じのものばかり繰り出してきて、舌を巻きます。
これを読んだ後で「秘密」とか読めば被るのかな?読んでないから解らないけど。
この作品は、一気に読ませるエンターテイメント作品としても秀逸です。
例えば90分ドラマとか角川映画になるような原作もかなり昔には読んだけど、
そういうものは形とかカッコにこだわって薄っぺらいもん多いんです。
敢えて名前は挙げないけど、筆力を疑う作品も数知れず。
東野作品はサラサラって適当に書いてるようで力がある。これ、むずかしい(笑)
圧倒的な筆力に裏付けられる強さを感じます。