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2007年07月13日

ガンジス河でバタフライ

ガンジス河でバタフライ (幻冬舎文庫)
ガンジス河でバタフライ(著)たかの てるこ
読了しました。
今年の秋にテレ朝系でドラマ化だそうです。
主演が長澤まさみってのが、イマイチ興味を持てないのですが、脚本がクドカン。
ならば、原作を読んでおくって手もあるかなと思って読んでみました(笑)
本書の内容に抵触(ネタばれ)しますので、折り畳んでおきます。
また、個人的及び主観的な感想なので、気分を害される方もおられるかと思います。
続きを読まれる場合は、ご了承の上、自己責任でお願いします。

読み始めと言うか、手にとって表紙をめくりタイトルをめくり、愕然としました。
「あ、こりゃ、エッセイだ!」あわてて、裏表紙を見たら、
『爆笑紀行エッセイ第一弾』と、ちゃんと書いてあるし(苦)
いや、エッセイが悪い訳じゃないんですけどね。でも、活字離れが激しい僕が、
リハビリと称して乱読しようとしてるのは小説ですから。エッセイなら雑誌でも
読むことが出来ますし。
例えて云うなら、あたかも黄金伝説のようにハンバーガーを全種類食い尽くそうと
3食ハンバーガーを食べてる時にケンタへ行って、チキンフィレサンドを食べた
ようなもんです。「あ、これはサンドイッチだ」って感じ。無駄に徒労。
とにかく、個人的な理由で勢いを失った僕は、この読みやすいエッセイを読了する
までに異常に長い時間を要しました(苦笑)
だからと言って、この作品がつまらないとか、質が低いとかそういうことではなく、
なかなか面白いエッセイでした。出来れば、行き当たりばったりの旅に憧れている
若い頃に読めば、それはそれでその人の人生を変えるきっかけになるかもしれません。
ま、僕はそういう人ではないので、そうはなりません(笑)
てか僕が20歳前後の頃は、インド行ってウロウロしてた友達がいたし、そいつらは
当時の現地ではかなりの貴重品だった百円ライターをとかを糧に生きてました。
そいつらのインド話も賭け値なしに面白かったんだけど、フィクションではない代わ
りにあきらかに話の中に抑揚や誇張は混じっている訳です。僕の友達もコテコテの
大阪の人間だったので(笑)
だから本作品もエッセイだからフィクションはないと思うけどノンフィクションでは
ないのです、きっと。たかのてるこも大阪の人だから(笑)
その辺のニュアンスが常識として伝わる関西人(とそれを理解する人)と、その他の
人々では、本作品の受けとめ方も大きく違ってくるでしょうね。
あと、著者は『英語もロクにできない』とか行ってますが、府立北野を出て、日大の
芸術学部ですから、全然出来なくては凌げません(笑)

マレーシアの人は日本のことをまだ怒ってるんじゃないかって、ずっと
気になってたんだよ。道を聞いても、食堂や宿でも、みんな親切にして
くれたけど、心の中にまでは入れないような気がしてたんだ。
でも、マレーシア最後の日にあなたに出会えたおかげで、みんなと色んな
話ができてよかったよ。

これだけ情緒的な会話を英語で伝える事が出来る人間を、『英語もロクにできない』と
普通は云わないものです。そういうウザイ部分が、この作品にあることも確かです。