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2007年07月01日

いとしい

いとしい (幻冬舎文庫)
いとしい(著)川上弘美
読了しました。
僕にとって、初めての川上弘美作品です。
本書の内容に抵触(ネタばれ)しますので、折り畳んでおきます。
また、個人的及び主観的な感想なので、気分を害される方もおられるかと思います。
続きを読まれる場合は、ご了承の上、自己責任でお願いします。

はぁ、こういう感じですか、川上弘美って方は。
うーん、僕には合いませんでした。退屈というか飽きますね。
書こうとする世界観は解るのですが。いや、「解る」と書くと偉そうだし嫌なのですが、
「解る気がする」と書くと何も解ってないのに解ったふりしてるみたいでしょ?(笑)
漂うような散文のように描かれる日常と幻想的な非現実的なイメージをクロスオーバー
させた世界観ですね。叙情性も強いです。
僕は、それが悪いと言うのではないのです。それが嫌いだと云うのではないのです。
ただ、こういう作品は僕の中で貴賤がはっきりしているのです。
云うまでも無く「貴」とされるのは、漱石の「夢十夜」であり内田百間の「サラサーテ
の盤」とか。漫画では、つげ義春とか。
筒井康隆にもそれに類する作品がいくつかあると思いますが、筒井作品の中にすら
貴賤が存在した気がします。(←記憶が曖昧というか忘れてます)
その程度の強さや、読ませ方ってものがあるので、読み手によりって好みが違うと思い
ますが、僕は合いませんでした。残念です。
ただ僕は自分の趣味というか主観が強く、高く評価するストライクゾーンは広くないと
思っていますが、その割りに許容範囲は狭くないと思っています。
だから、時間をおいて川上弘美氏の短編や最近の作品も読んでみたいと思っています。
たった1作品しか読まずに見限るのは早計と思わせる何かを感じます。