capriccio

ジダンに与えられたものは、マテラッツィが投げた汚い言葉と、その報復に対するレッドカードです。
でも、本当はあの決勝戦、あの大会における責任に留めて欲しいと云うのが僕の願いです。
時には後に罰金や出場停止を担わされますが、それは仕方ない事です。
そういうものでしょう、サッカーって。
だからあの大会でのＭＶＰは剥奪されるべき（と云うか投票した記者の責任を先に問うべき）
ですが、ジダンは人生に対してレッドカードを出された訳ではないし、ジダンが立派なサッカー選手
であることになんら変わりがないと思います。
引退してからでも麻薬に手を出し、それでもチヤホヤされたい奴が今回もスタンドで騒いでいたけど、
あんな奴とは根本的に違います。
一般人が「ジダンを信じてみていた子供たちに何と説明すればよいか・・・」なんて発言も各方面で
見受けられましたが、そう思うなら子供達に見せなければいい。そうやって育てられた子供達は、
例えサッカー選手にならなくとも現実世界で暴力に接した時に、奈落に落ちていくだろうから（笑）
サッカーのピッチに立つ選手は、それがジダンほどの立派な選手であっても倫理に反すれば、
赤いカード１枚でフィールドを去らなければいけない。と教えることの出来る絶好の機会なのに。

あと僕がＴＶで何度も観たシーンでは、マテラッツィがジダンに後ろからユニフォームに触っていて
ジダンがマテラッツィに「そんなに俺のユニフォームが欲しいなら試合後にくれてやるよ」と横柄に
云ったそうです。それに対してムカついたマテラッツィが汚い言葉を吐いて、ジダンが頭突き。
一連の動きが本当なら、最初の時点で先にキレたのはジダンのように思えます(^^;
でもね、きっとそうじゃないんですよね。いや、そうであってももっと経緯があるはずです。
あの程度のコンタクトでジダンが怒る訳がないでしょ。試合開始直後からあのシーンに至るまで、
かなり執拗にユニフォームを引っ張ったりえげつない体の入れ方をされてるはずなの。
それがイタリアの守備でもあり、イタリア伝統のマンマークなの。
そんなのを全部含めて、僕はイタリアのサッカーを快く思ってないんだけど、それがマテラッツィ
に与えられた仕事のひとつですから。
大切なのは、全貌を知るにはテレビに映らない部分での凌ぎ合いも含めて全てのコンタクトシーン
の映像が必要で、我々が一方的に与えられた材料ではメディアからの押し付けの論理しか解らない
ってことです。そして全貌を知る必要なんてどこにもないと僕は思います。