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2005年05月23日

It'll be just like starting over

本日は本多劇場に於いて倉森氏の四十九日法要が行なわれたはずです。
僕は、残念ながら行けませんでしたが、あらためてご冥福をお祈りいたします。

本当はね、カーテンコールのような、割れんばかりの拍手の中で
旅立って欲しかったんですけどね。
そんなことも考えながら、先日から、シアテレの「SNAKE THE BANDIT」の
ビデオを観ております。

実は、当初は感傷的な理由から、ビデオを見るのが少々ためらわれました。
これは、みなさんにも容易にご理解いただけると思うので、くどくどは書きません。
僕もある程度、気持ちの整理がついてから・・・と思っていたのですが、
自分で、あんなことをやりだしたからには、鼓舞する必要性もあったのです。

でも、さほどでは、ありませんでした。
確かに観終わった後で少々凹みましたが、それは僕自身の問題ではないかと思います。
巧く云えないのだけれど、どこか割り切れない哀しみはつきまとうのです。
僕と同様の感情を持たれる方もきっといらっしゃると思うし、繊細な問題でもあると思うから、
それを愚かであると言い切れるほど、僕はドライじゃないです。
しかし、TVの向こう側には、別の世界がありました。
倉森さんは、生き生きしながらオリビアを演じられてました。
当たり前の話ですが、好むと好まざるとに関わらず映像は正直です。
僕にとっては、ジョン・ベルーシやオーティス・レディングやマーク・ボランやジョン・レノンと同様のことかもしれません。
彼らの映像を観る度に、凹んでいたのでは埒が明かない。
倉森さんは、もう少し距離を近くに感じていたからのつらさがあるのは、解ってるんだけどね。
でも、TVの向こう側の倉森さんは、夢と笑いをくれる役者として存在する訳です。

仮にこのビデオで、サモアリを初めて経験する方がおられたとしたら、
「この金髪のマックスベアやってる久ヶ沢ってのは、ほんとバカだな。」と思うだろうし、
「主役の小松って人は演技が巧いのに、舞台上で本気で笑ってるってのは、どうなのよ?」と思うだろうし、
「このきりっとした千野ハルナって子、いいなー。えっ、辞めた?じゃ、海原ローラでいいや。
 えっ!結婚して、いない?」って思うだろうし、
「おいおい、これクドカンかー!若かりし頃のクドカンかー!」って、思うだろうし、
「何だ、みんなが絡みにくそうにしてる倉森ってのは?えっ?作・演出なの?この人がやってるの?
 なんか、ぐだぐだだけど、おもしれー。」って思うんじゃないかな。
そして、倉森さんが既にいない事実を知り「惜しいな、惜しいな。」と思うはずだ。

僕は、今後こういう場面が繰り返されたら、いいなと思います。
僕の知らない場所で、何度でも繰り返されたら、いいなと思うのです。
倉森さんをご存知の方に、何度も見てもらうのも喜びかもしれませんが、
名前も知らない初めての方が、映像を見て、「!」と思ってくれたら嬉しいのです。
もちろん、倉森さんがご生前の方が良かったに決まってるし、過ぎたるは及ばざるが如しです。
でもね、たったのひとりや、ふたりでもいいですから、倉森さんの素晴らしさを伝える事の
手助けが僕に出来たらなぁと思ってます。
弱音は吐かない。ここから、再出発します。starting overです。

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コメント

先程、IWAさんのぶんも、置いてきました。

さっき帰ってきました。IWAさんの文を読んで自然と笑みがこぼれてきました。これから広がるなんて楽しみですよね。

雨の中、おつかれ。ごくろうさま。
>mayuさん
ありがとね。
きっとmayuさんの記憶は、薄れないよ。
僕が初めてmayuさんにお会いしたのも、スズナリだったし。
>こなさん
ありがと。あの花も思いも、すべて届きます。
そして、これからも広がります、きっと。
つらい無限ループに陥ったらbreak;文で脱出してくれ!(笑

私も、そんな場面が繰り返されることを望みます。映像の強味は、其処に有ると思います。

>株主さん
ありがと。
みんなが望んでも為されない事もあるんですが。
実現に向けて何か考えてみます。

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