capriccio

僕が観た「ＡＬＩＣＥ」は４月２４日。千秋楽公演。
何の因果か、ある日、幸運のチケットが舞い込んだ。
その時、僕には既にもうひとつの「笑い」のチケットがあったので少し迷った。
迷う必要はないよな（笑）天啓でしょ。
とにかく、歴史の証人となるべく、僕は席に付いた。

開場前の話は省く。この際、省く（笑）
会場は、開演前から異様な空気が支配していた。
確かに、ざわめきが自然に消えていったんだもの。
僕は、その気配を肌で感じながら、ありゃりゃとんでもない場所に来たなと思った。
以下、タイトルは適当。これが正しいってのがあったら教えて下さい（無知）。
「釈然としない」
笑った。台詞回しに、文字通り釈然としない微妙な感じはあるのだけれど。
立ち位置、動き方などは舌を巻いた。うーん、こんな感じで始まるのか。
むしろ、これで終わってもいいくらいだとさえ思える。
「ゴトーを待ちながら」
何だ、矢印ジャンケンって（笑）
イメージ的には「採集」寄り？
言葉のやり取りの合間に、僕のツボはいくつか散りばめられている。
だから、笑う。でも、観終わってから感想を問われれば、僕の好みではない。
「桶屋が儲かる」
これ、すげぇ！素直に、すげぇ！
別に通ぶったり、すかしたり、インテリぶったり（意味不明）したい訳じゃない。
ラーメンズを小難しく捉えようとしている訳では決してない。
けど、良いものは、良い！と自分に素直に言い切りたいのな。
多分、僕は、これをやってる間、一度も笑ってないと思う。
前のめりになって、小難しい表情を浮かべていたことと思う。
でも、終わった時に「ホーゥ」って感じの溜息をもらした。
そして感動に近いものが込み上げてきた。
僕にとって、その価値観は爆笑にも勝る。
僕の「アリス」のベスト・アクトは、これ。
あっ、「桶屋がボーカル」はベタに笑ったかも（笑）
「バニー部」
バカですな（笑）
別に嫌悪感は抱かない。
むしろ、小林賢太郎には、この道を切磋琢磨していただきたい。
まだまだ、良くなるでしょ。
「ここで働かせてください」
これは、いいな。フリークにとっては「ゴトーを待ちながら」の仁さんの方が
ツボなのかもしれないけど、僕は素にこっちがいい。
ちょっとバタバタしてたけど。この種のものはバタバタするとぐたぐたになる。
で、調子が良い時に調子に乗ってアドリブかますと、テンポが狂って失敗しそうな
コントですね。それはそれで面白いのだろうけど。
これを脚本どおりに綿密に完璧にこなすの観たいな。
僕の大好きな片桐仁の真骨頂はそこにありそうな気がする。
「メタモルフォーゼ」
わはは！わはは！わはは！
絶賛する訳ではないけど、これはいいぞ。
僕にとっての「ラーメンズらしさ」に満ち溢れてる。優しさも満ちている。
巧いし、バカだし。いいなー、これ。
「不思議の国、ニッポン」
これは、感想とか批評とか受け付けるようなもんじゃないでしょ。
素直に楽しめればいいし、笑ってりゃ、いい。
前のめりになって観るようなもんでもない。
ちょっと驚いたのは、秋田で「１４分後」って台詞が入った時。
岡山であることは、その時点で明白なんだけど、「案外、長いな」と思う一方で、
「もし本当だったら凄いな」と。あれって、本当に１４分後なのですか？
僕の頭を過ぎったのは桂文楽。演目の長さが１秒も狂わなかったと言う伝説。
一瞬、その域に達したのか！って思いましたけどね。
まっ、そんな事はどうでもいいや。楽しかったですよ。

って、ここまで書いて、俺って楽しんでないみたいな（笑）
いや、本当におもしろかったし、楽しかったし、感動したし、大変だったんですよ。
でも、書くからには、「おもしろかった」だけじゃまずいかと（笑）
本当は、それだけで済ませたいんだけど、他は全部蛇足ってことで（笑）
あと、公演中、僕は笑ったよ。笑った。
でも、僕の席から前方の席に届く声では笑ってないって！（爆）