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2005年04月28日

「AB男」を観た。(2)

ab2.jpgでは、滅多に書かない(書けないんですけど)
観劇の感想を。サモに関しては、ビデオとかないんで、
公演が終了すればネタばれはないのですが、
大した内容ではないので、畳んでおきます。

あと、文中において役者さんの敬称を略しております
が、他意はないです。お許し下さい。

さて、何から書いていいか解らないけど、
「とりあえずサモアリは相変わらず、おもしろかった。」
出来れば、この一言で片付けたいのが正直な気持ちなんですけど(笑)
大仰なストーリー設定の割りに、やってる事は子供並み。
勧善懲悪は、サモの基本。今回も王道に乗っ取った芝居でした。
そして、台詞に裏の意味なぞあろう筈もなく、そのまんま。
台本を見ても、行間を深読みする必要は全くない。
ただ、強引な展開と妙な間を楽しむのみ(笑)
いいなー。観てるこっちが、笑ってりゃ進んでいく。楽でいい。
例えば久米淳子。いいです。キーパーソンになりつつあります。
佳境に入って、普通なら謎を紐解く台詞が入る場面で、
「知らないよー。めんどくせー!」
ぎゃはは!それを云っちゃあ、元も子もない。
でも、こんな具合にサモアリの台詞には、「突っ張り」と「うっちゃり」しかない。
冒頭の小松と久ヶ沢の絡みなんて、四つに組んでるようで、実はポーズでしかない。
特に久ヶ沢なんて、「うっちゃる」ための準備で四つに組んでるだけです(笑)
そんな久ヶ沢も成長した一面を見せた。
サモアリの日誌でオクイさんをして「今回おもしろ打率高いよね。」と言わしめた
中澤功。あの媒染の秘書は確かにおもしろかった。ほんと、頑張ってた。
けど、間と台詞を拾ってたのは久ヶ沢ですね。あの「ツッコミ」が出来ない久ヶ沢がっ!
今まで、何人のおもしろ役者が、彼に突っ込んでもらえなくて泣いたことか。
やれば、出来るじゃん。
同様に佐藤貴史のおもしろさを引き出したのも脚本と池鉄さんの力量ですね。
「キャラがないから逆ギレで行けって」
おいおい、シュールすぎて僕は笑い死にました。
そして、今回はオクイシュージと池田鉄洋。この2人に尽きますね。
オクイさんの役は倉森さんの役だった筈。
そして、失礼ながら、あれが倉森勝利だったら僕は数倍笑ったと思う。
けどね、どんな役者を連れてきても倉森勝利の代役は無理だと思うんですよ。
それをオクイシュージは完璧に自分のモノにして演じきりました。
僕が今回、一番笑ったのはオクイさんの場面ですから。ほんと、すごかった。
さすがプレジデントです。僕は今後オクイシュージという男を全面的に信頼します。
一方、池鉄さん。僕は失礼ながら「猫ホテ」でのご活躍を知らない。
でも、名前で客が呼べる役者であることは知っている。そんな池鉄さんでもアウェーの
サモの舞台は演りづらかったと思います。でも見事に泳いでましたよ。違和感なく。
僕はインサイダーなネタとか楽屋ネタは嫌いなので、極力避けているけど、これだけは公開したい。
日本人より日本語が巧いユセフ・ロットフィがこう云った。
「池鉄さん、サモアリに馴染んでましたねぇ。全然違和感なかったですよぉ」
それを聞いた池鉄さんは心底嬉しそうに微笑んで、「ありがとう。めちゃ嬉しい。」と言った。
僕は、そんな場面に遭遇してそんなロットフィと池鉄さんに涙が出そうだった。
とにかく、このお2人と峯村リエさんの存在は、すさまじかったと言える。
倉森さんが出れなくなって座長と久ヶ沢は勿論、劇団員は「何とかしなきゃ」と思ったはずだ。
それで、至極当然。でもこの客演のお三方が「何とかしてやる」って気持ちが高じて
「AB男」は大成功を収めたのではないかと思います。
演じてる役者の楽しさが観てる者に伝わってくる芝居でした。
確かにカーテンコールの峯村リエさんの笑顔は底抜けで本当にステキでした(笑)
最終日の追加公演だけは、皆さん好き勝手やってましたな。あれもサモアリ。
久ヶ沢の「ユキちゃん事件」は、最悪だったけどある意味、良かったかも。
あれで客演のお三方が、好き放題やるチャレンジャーに(笑)
もう怖いもんなんてなかったでしょ。
あと、平田敦子の飛び入り。橋本真也も凄かったけど、圧巻はコールガール。
あれは「ホール&ナッツ」の衣装かな。
渋谷パルコで「shuffle」演ってた訳ですから台詞や場当たりなんか入れるヒマは当然、
なかったはずだ。それで、あの絡み。オクイさんと小松さんだから出来る技。
オクイさんが平田さんに目線をくれると、あっちゃんの目は「くれ!くれ!」モード。
僕は最前列で見てたから解ったけど、絶妙なアイコンタクト。で、2人でボケ。
最強モードだったね。小松さんは、よく崩れなかったよ(笑)
あと追加公演はラストの雪が半端な量じゃなかった。3倍は降った。
面積の多い僕の上に降り積もった。役者に指差して笑われました(笑)
最後に小松さん、ご苦労様でした。
今回の「ホントにどーも、ありがとーございました!」は、いつもと訳が違ったね。
お辞儀の深さと共にビンビン伝わりましたよ。
そして、役者やスタッフに向けての気持ちも相当入り込んでましたね。
でも、そんなことに僕は気付かないフリをしておきます。
「わはは!サモアリってバッカじゃねぇ?おもしれー。」でいいでしょ?

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コメント

サモアリおもしろい!に尽きますね。本当に・・・。
これを読んで昨日のように記憶がよみがえってきました。
今でも思い出し笑いが・・・。追加公演、平田さんが飛び入りしたそうで、観たかったです。

ましたさん、ありがと。
でも、こんなの読んで甦えるか?(笑
リンク先には、もっとステキな感想もありますから!

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